輸出依存度って??

1ドル70円台の日本経済:三橋貴明(作家)
日本の輸出依存度は低いから、日本が外需依存だというのはおかしい、ということだそうですが...


ちなみに、こちらでもなんか混乱しているみたい
経済のことはわからないけど。 - くろんの風
はてブとかの反応でも、なんか誤った理解・認識が広がっているようです。


そこで、ちょっと整理してみます。
まず、輸出依存度というのは、輸出対GDP比率。これは輸出額をGDPで割ったものです。
ここで注意しなければいけないのは、GDPとは国内で生産された価値になります。一方輸出額というのは国内で生産された価値だけではありません。輸入した価値も含んでいるんです。


仮想の2つの国で比較してみます。この2つの国の輸出はコンピュータだけです。しかもどちらの国もGDPが100。輸出額は10。つまり輸出依存度は10%です。
A国は、コンピュータの組み立てだけで、部品等は全て輸入に頼っています。コンピュータの輸出額10に対して、国内での生産分はたったの1。残りの9は全て輸入ということになります。
一方B国は、組み立てだけでなく、チップやボード、ドライブ類など多くの部品も国内で生産しています。つまりコンピュータの輸出額10に対して、国内の生産分は5。
どちらの国も輸出依存度は10%です。でも国内で生産された価値(GDP)のうち、輸出された価値の割合は?そうA国は1%だけどB国は5%です。



あと「1ドル70円台の日本経済」では「実質実効為替レート」についても触れられていて、実質たいした円高ではないみたいなことが書かれていますが、この辺については、himaginaryさんのエントリーがとても参考になります。
円安バブル論というバブル - himaginaryの日記