2009-01-01から1年間の記事一覧

「努力すれば報われる」と「努力しても報われない」を考える

なんていうんですかね。この「努力すれば報われる」というもの言い。 小泉内閣の時代に、なにやら格差を正当化するために使われてきた言葉でもあるんですが、僕が意外だったのは、「全くその通り!」と言う人たちが結構多くいたことです。しかも、その使われ…

国の赤字がこれほど多いということは、当然どこかがものすごく黒字

asahi.com(朝日新聞社):新規国債53.5兆円 今年度税収36.9兆円 財務相 - 政治ものすごい赤字です。おそらくこれで鳩山内閣の支持率は下がるんでしょう。でも、これほどまでの赤字をつくらなければ、今度は逆に経済の停滞、失業率の増大によって、…

教育における「平等」ついて、チョイと思ったこと

なんだか忙しくて、なかなか時間をとってエントリーを書くということが難しいので、今回もちょっと気軽に... 以前こちらで、苅谷剛彦先生の大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)という本の感想を書いたんですが、この本で書かれて…

「リフレ」VS「潜在成長UP」を考えるその前に

もうずいぶんと更新していませんでした。 ある程度まとめたことを、ここでは書きたいと思っていたのですが、その一方で忙しくてなかなかまとまった内容を書く余裕がない。書こうと思っていることはたくさんあるのですが... ということで、今回はとりあえ…

「大衆教育社会のゆくえ」苅谷剛彦

以前こちらで書いたように、苅谷先生の「教育と平等」を読んだら、こりゃ「大衆教育社会のゆくえ」も読まないかんな、と思った次第でして...大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)作者: 苅谷剛彦出版社/メーカー: 中央公論社発売日…

「国際金融入門 新版」岩田規久男

国際金融入門 (岩波新書)作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/07/22メディア: 新書購入: 11人 クリック: 60回この商品を含むブログ (26件) を見る今回も、またまた岩波新書。リフレ派の大御所、岩田規久男先生の国際金融に関する入門書で…

「新しい労働社会」濱口桂一郎

数々の書評が個人ブログで書かれており、うちの近所の文教堂ですら平積みでドーン!(岩波の営業さん、気合い入っているのかな?)どうやらとっても売れているんじゃないか?と、ちょっと喜んでしまいそうですが、まあそんな話は置いておいて...新しい労…

内田義彦「資本論の世界」「社会認識の歩み」

子供が夏休みに入ったために、すっかり更新できなくなってしまっていました。(妻は仕事に出ており、僕は自宅で仕事をしているので、僕が子供の面倒も見なくちゃいけない) さて、今回は岩波新書の青版から。 岩波新書の青版で、今も増刷が続いているものに…

「教育と平等」苅谷剛彦

今回は、最近読んだ本を紹介 苅谷剛彦先生の本は、「欲張り過ぎるニッポンの教育」(講談社現代新書)という対談本(この本は、対談本としては極めてよくできた本なのでオススメ)しか読んだことがありませんでしたが、今回中公新書の新刊本のところに並んで…

「POSSE」第4号

『POSSE』第4号つづき: EU労働法政策雑記帳 告知(H21.7.7): 後藤和智の雑記帳 精神は貧困でかまいません(笑)|女子リベ 安原宏美--編集者のブログ 「POSSE」第4号 特集「格差論壇」の座標軸 座談会「ニート論壇」って言うな! −「セカイ系」化する論壇…

合理的期待形成とリアルビジネスサイクル理論

前回のエントリーで、「一般均衡理論」における時間軸の欠落の問題を取り上げました。 でも、そんなことよりもなによりも、もっとも重要なことは、経済活動というものは今現在のためだけに行われているわけではないということ。つまりは将来のための経済活動…

レオン・ワルラス「一般均衡理論」

前回のエントリーで、「新古典派経済学」について書いたのだけれど、何か書き足りないなあ...と思ってしまいました。そう、新書なんかでは「新古典派経済学」を説明する際に必ず紹介される考え方です。 1870年代に誕生した新しい経済学の考え方、今日の用…

「新古典派経済学」とは

しばらくぶりの更新になってしまいました。今日は「新古典派経済学」について。ちょっと整理しておこうと思います。 ということで、まずはこちらから。ずいぶん前のネタですが... 最強の経済学者 ミルトン・フリードマン - 池田信夫 blog アメリカの経済…

自然失業率について再び。成長率との関連で。

ちょっと仕事が忙しいのと、村上春樹の新刊を読み始めてしまったのとで、なかなか更新ができません。で、今回は以前ここで触れた「自然失業率」について、「スティグリッツマクロ経済学」のなかで興味深い話が書いてあったので、とりあえずメモ的にアップ。 …

投資と利子率について

ちょっと間が空いてしまいましたが... 前回のつづき。 長期においてどのようにして総需要と総供給が均衡するのか? 現在の主流派の経済学では、長期においては供給側が生産量を決めるという「セイの法則」が成立すると考えられているが、それはなぜか? …

マクロ経済学における「投資」とは?

さてさて今回は、長期においてどのようにして総需要と総供給が均衡するのか、現在の主流派の経済学における考え方を、取り上げてみたいと思います。 3つ前のエントリーで、現在の主流派の経済学では、「セイの法則」(供給はそれ自身の需要を創造する)が長…

潜在成長率と自然失業率

前々回、前回に続いて、今回はGDPやその成長率と、自然失業率との関係を見てみたいと思います。そこで、まず潜在GDPという言葉について。 「スティグリッツマクロ経済学 第3版」より。 実質生産量を測るマクロ経済のもう一つの重要な指標は、潜在GDP potenti…

完全雇用と自然失業率

前回の続き。自然失業率について、いろいろなところから引用してみます。 今回は「スティグリッツマクロ経済学 第3版」。自然失業率について、以下のように書かれています。 経済が潜在的産出量を生産している完全雇用の状況で生じた失業率は、通常、自然失…

自然失業率とは?

今回はマクロ経済学についてのお話。それも僕らが最も関心のある失業率について。といってもなんだかややこしい話でもあります。まずは経済学の基本命題から。 「供給はそれ自身の需要を創造する」 セイの法則 - Wikipedia 「供給はそれ自身の需要を創造する…

「経済学の歴史」 根井雅弘

根井雅弘先生については、以前のエントリーで触れたことがあります。 根井先生の本は何冊か面白く読ませていただいたのですが、たぶんこれが1番のお勧めということで紹介します。経済学の歴史 (講談社学術文庫)作者: 根井雅弘出版社/メーカー: 講談社発売日:…

「「空気」の研究」山本七平

最近は、知識の吸収にはまり込んでいて、あまり吐き出すネタはないのですが、とりあえず週1くらいの頻度では更新していきたいと思っているので、ちょっと前に読んだ本の感想なんぞを。 KYなんて言葉が流行ったためか、この山本七平の著作があらためて注目さ…

エコノミストのコンセンサスは、経済学における一般論

今回は、ブログ界で有名な、あの池田信夫先生のエントリーから。(ちょっと前のものですが...) 経済学者のコンセンサス - 池田信夫 blogかの有名なグレゴリー・マンキュー先生のブログから引っ張ってきたものですね。マンキューのブログも、あるアンケー…

「グローバル恐慌」浜矩子

オルタ・同窓会 - まっちゃんの狂人日記 こちらの紹介で、知りました。グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)作者: 浜矩子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (19件) を見る…

日本における「自己責任」とは、「自業自得」の言い換えでしかない

不可解な日本の世論 - すなふきんの雑感日記 非常に、興味深いお話が、はてブの上位に挙がっていました。 「自立できない非常に貧しい人たちの面倒を見るのは国の責任である」という考え方に賛成するか否かを尋ねている。 日本ではこの考え方に賛成している…

小沢秘書逮捕について。検察は大丈夫か?

ちょっとだけこのネタに言及してみます。 今回の迂回献金、政治資金規正法違反ということですが、大騒ぎしている割には、なんか罪がショボイなあと思ってしまいます。まあ、そうはいっても法律違反とはいえるわけで、今までは大目に見てきたけど、今後はきち…

個人事業主(自営業)にもっと光を!

ちょうど今、確定申告のために、領収書の整理をしているんですけど、その際ちょっと思ったことを... 自営業者っていうんですか?個人経営とか、家族経営のような仕事の仕方、なんかパッとしないというか、淘汰されていくようなイメージがあるんです。 僕…

日本の不動産不況について考える 

2月16日にテレビでやっていたのを、たまたま見てしまいました。 NHKスペシャル 沸騰都市 最終回 TOKYOモンスター シリーズみたいですが、見たのはこの回だけです。 正直、見ていて痛々しかったです。おそらくこの企画はずいぶん前から動いていたんでしょう。…

輸出依存度って??

1ドル70円台の日本経済:三橋貴明(作家) 日本の輸出依存度は低いから、日本が外需依存だというのはおかしい、ということだそうですが... ちなみに、こちらでもなんか混乱しているみたい 経済のことはわからないけど。 - くろんの風 はてブとかの反応でも…

GDP年率換算マイナス12.7%について

2月16日に、四半期別(10〜12月)のGDP速報が発表されて、日本の実質GDPの成長率が、前期(7〜9月)比で-3.3%。年率換算で-12.7%。第1次オイルショックの1974年1〜3月期の年率13.1%減に次ぐ急激な落ち込みだそうです。 http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/…

ブログのタイトル変更

ブログのタイトルを変更しました。 はてなIDを使っていたんですが、とっても似たはてなIDの方がいらっしゃって、しかもブログもやられていて、ちょっと紛らわしいかな?と思ったので。