「リフレ」VS「潜在成長UP」を考えるその前に

もうずいぶんと更新していませんでした。
ある程度まとめたことを、ここでは書きたいと思っていたのですが、その一方で忙しくてなかなかまとまった内容を書く余裕がない。書こうと思っていることはたくさんあるのですが...
ということで、今回はとりあえず気楽に思ったことをちょちょちょいと。



勝間和代さんのおかげで、久しぶりにリフレ論争が再燃しているようですね。ということで、この問題についてちょっと一言。
量的緩和インフレターゲットが効果があるかどうかという議論以前に
日本の成長率の鈍化や雇用の不安定化、デフレの原因は、完全雇用レベルの生産量(潜在GDP)に対して、総需要が不足している(需給ギャップが存在する)ためであり、しかも総需要を潜在GDPにまで高める調整機能として働く「利子率」が名目でほとんど0にまで下がっているのに、それでも総需要が不足している
ということが問題であるという認識のコンセンサスってとれないんですかね?


これだけものが売れないと言われている時代、コンビニも増えすぎてロードサイドのショッピングセンターも増えすぎて、都会では自動車はいらないという若者も増えて、PCもデジカメも成熟産業となり、みんなユニクロで服買って、マックで昼飯を食い、すこしでも所得に余裕が生まれればできるだけ貯蓄に回す。しかも大手企業は大量の内部留保をせっせと貯め込んで...
これでも「需要不足ではなくて、潜在GDPの低下だ」「潜在成長率を高めなくてはいけない」と言っている人(こことかここ)の頭の中は、いったいどうなっているんだろう?僕が暮らしている日本とは違う「日本」の中で生きているんでしょうか?
まっとうな感覚の持ち主なら、「問題は需要不足である」ということは素直に理解できそうなんですけどねえ。


そして「問題は需要不足である」というコンセンサスが得られれば、どうすれば需要が増えるのか?という議論につながって、リフレ策含めてもう少し建設的な議論ができるはずです。需要を増やすには財政政策や金融政策のようなマクロ政策が王道ですが、個人的にはミクロ(長期)政策においても需要喚起を期待できそうな政策ってあると思うんですよね。投資を喚起させるための金融市場における様々なルールの見直し(もうさんざんやった?)とか、それこそ所得政策によって名目賃金を引き上げるとか、さらには貯蓄性向に影響がありそうな社会福祉政策や税制等々(すんません、素人なので言いたい放題です。)。逆に、求人・求職のマッチング支援とか、農業・林業・介護での雇用創出とかって、需要が増えない限り根本的な解決にはならないということもわかります。
ミクロ政策って「規制緩和」「競争・淘汰・流動性の促進」がすべてじゃないはずです。いつの間にかそういうことになっているような気がするけど。(ちなみに日本人の貯蓄性向の高さは、市場原理や金利によって低くなるとは思えません)
あっ、でも当然マクロ政策は重要です。ただインタゲがどこまで効くのか?ちょっと疑問もあるので、いろいろ試して合わせ技でとにかく需要を喚起できればと...